2015年2月22日日曜日

始めに

ウォータージェット工法に関して



戦後の高度成長期に大量に築造された建築物や各種のインフラ構造物が平成の時代に入ると劣化が顕著になってきています。

今後、社会資本を適切に維持していくためには、従来の単なる補修・補強ではなく、わが国固有の文化を十分考慮し、後世に評価されるような方法が採用されなければなりません。

そのためには、対象構造物の重要性を考え、ライフサイクル評価を適正に行い、より耐久性向上に効果のある補修・補強技術が採用されることが重要です。

このような考えのもとに、各高速道路会社や各旅客鉄道会社、下水道事業者などでは様々な構造物に対し各種の維持補修基準 (マニュアル)を定めています.これらの基準においては、劣化したコンクリートの除去にウオータージェット技術が推奨されております。

その理由は、ブレーカなどの打撃による従来のコンクリートはつり技術を適用すると、残すべき部位 (母材)にまで損傷を与える恐れがあるのに対し、ウオータージェット工法は、①鉄筋に損傷を与えない、②除去した後のコンクリートに耐荷性および耐久性に悪影響を与えるマイクロクラックなどの発生を極力抑えることが出来る、③コンクリートの劣化部を選択的に除去できる、④新旧コンクリートの一体化に優れている、などの今後の補修技術に欠くべからざる特徴を持っているからです。

しかし、我が国のウオータージェット技術によるコンクリート除去の歴史は浅く、発注者のご理解や受注者の技術の蓄積は未だ途上にあると思われます。いくら優れた技術でも適切に使用されなければその長所が発揮出来ない場合があります。

日本ウオータージェット施工協会では、発注者には W J工法が信頼を置ける技術であることを、管理者の方々には技術の内容を十分理解していただけるよう、さらに W J技術者の方々には安全かつ正確に使用できることを念頭におきウオータージェット工法「計画・施工の手引きを改訂し充実いたしました。

※日本ウオータージェット施工協会 平成23年計画・施工の手引きより引用

http://nissin-waterjet.com/